紅芳記


平八郎のほかに、私には妹と弟がいます。

歳の近い妹もり姫と、まだ幼い弟忠朝(タダトモ:幼名が分からなかった為忠朝とします)です。

幼い忠朝はなんとも愛らしく、ついつい忠朝ばかりかまってしまいます。

「あねうえー!」

おぼつかなかった歩き方もようやく安定し、ちょこちょこと 私達のところにやって来る様はなんとも…。

などとばかり言っておりますと平八郎が拗ねてしまいますわ。