「で、どこ行くの?」
「瀬菜のプレゼント買いにデパートにでも…」
初めてのショッピング。まだ手を繋ぐ事も出来なくて横に並んで歩いた。突然課長はジュエリーショップへと入って行った。慌てて付いて行った私に
「ピアスにしよっか。瀬菜は十字架が好きだよね。これ見せて下さい」そう言ってショーケースから出して貰ったピアスはまさに私の好みを知り尽くしているかのような大好きなデザインだった。「わぁ〜可愛い。綺麗だね」何気に値札を見た私はビックリした。ご、ご、5万円!?こんな小さなピアスがそんなにするの!?そんな高価な物子供の私には似合わないよ。とっさに「いいよ、いらない。私には似合わないよ」そう言う私に店員さんは「お似合いになると思いますよ。中央にダイヤが入っているのではめた時綺麗ですし一点物ですよ」余計な事言わなくていいよ。そう思いながら「私いらない」そう言うと課長は「何で?可愛いって言ってたじゃん」
私は小さな声で「値段見た?高すぎるよ」と話すと「値段は関係ない。相場じゃない?これにしよ。」あたふたしている私に「すみません。これ下さい」店員さんは「有難うございます。いいですね。お兄さんですか?優しいお兄さんですね」そう言ってお金を預かり奥へと消えて行った。「ねぇ、お兄さんって言われたよ。カップルには見えないのかなぁ…」そうつぶやくと「援交と思ってるかもね。兄弟にしては全く似てないもんなぁ。やっぱ年の差かなぁ」箱詰めされた商品を店員さんが持ってきた。「有難うございました」店を後にした私はさっきの店員さんの言葉にショックを受けたままうつむき歩いた。他人の目が凄く気になった。何だかジロジロ見られてる感じはしてたけど人から見たら私たち援交に見えるのかなぁ…ぎこちない2人だしくっついて歩いている訳でもないし。それから他人の目が非常に気になりだしていた。