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その女の子は
素晴らしい世界を
頭の中に持っていた


『哀華アイカ』というHNしか知らない
只のネッ友だった





『たいちょー』さん
これもまたネッ友の
そのBBSの真ん中で
ビジター同士の袖擦り合い
そんな感じでランデブー


そこで奴と交わしたのは
若者に良く有る
パンクでロックな悪ふざけだった


でも奴の放つ言葉達は
凄げぇセンスで溢れてた





何の気なしにリンクを辿り
頭ん中を覗きに行ったさ
それは勿論『哀華』のソレ





詩を読んで衝撃が走る


初めて味わうその感覚


それが本当の奴との出会いだった





孤独

     暗闇

 迷走

          悲哀

    焦燥

  渇望

沈黙

     葛藤

             絶叫





そして深い深い愛情





何百と綴られた詩篇は
まさに奴の血と汗と涙だった

俺の琴線を震わす言霊だったんだ





天賦の才





その言葉を体感した瞬間だった