次の一手で、彼女はa3クイーンでb4ポーンを取り、斜線上に僕のキングを捕捉するだろう。

そしたら、僕のキングはどうする?

そうなった時は、c5、e7がクイーンの勢力範疇になる。

c6にはナイトが飛んでくるし、d7とe6はg4に控えているビショップの攻撃が届く。

今のうちに、d5か敵ポーンを潰してe5へ移動したほうが、逃げやすいだろう。

だがそうしたら、キングのとなりに据えたナイトが……

僕の宣戦布告に付き添ってくれた有志を、置き去りにはできない。

彼はこの国最後の騎士なんだ……!

――いや、まだ、どうにかなる。

そうだ。ナイトはキングを守ってしかるべき。

僕は馬の鼻面を翻した。

c7から、d5へ呼び戻す。

これで彼女のクイーンも、動けないだろう。

b4ポーンを斬り殺した直後に、ナイトの馬に潰されるのだ。

戦場が、また凍る。

しかし、緊張感は絶対零度として、僕らの神経をつついていた。

さあ、今度はどうやって僕を脅かすつもりだ?