しかし、ここで守りに入ったら、彼女は再び攻勢を取り戻すかもしれない。

ナイトを、b6からa8へ。

小さな戦場だけど、連続でのチェックだ。

彼女はキングを動かすしかない。

そら来た!

c7から、b8へ入ってくる。

っ、まただ!

ナイトは駒の特性上、おもしろい動きではある。

だけど同時に、ひとつ隣のマスを攻撃できないのだ。

ナイトは生かさなくてはいけない。

まるで間抜けだ。

ナイトを、結局さっきいた場所b6へ戻さなければ。

彼女の手が、素早く動いた。

イヤな予感がした。

彼女の動きが機敏な時は――

僕へ致命傷を与えかねない一撃を画策している時だ!

彼女が持ち上げたのは、f8のビショップ。

それが、黒マスの斜めを進撃してくる。

とん、とビショップが杖を突いたのは、b4……

僕のキングから一マスを空けた、斜め先。

盾はない。

チェックされた……!