さあ、どうする……?

今度は僕が不敵に笑う番だ。

鏡写しも今からじゃ不可能。

クイーンが双方出陣した今、緊張感は同じはずだ。

安易な手は打てないだろう……?

ところが、彼女の手はためらいなく動く。

それも、やっぱり、ずっと前から考えていたように。

a7にあったポーンをa5へ、二歩前進させた。

今さら……?

その一手は、まさか今さら、a8に眠っていたルークを起こすつもりなのか……?

そのルークが主戦域へ到達する前に、僕のクイーンが進軍するとは考えないのか……!

まさか、それ自体が僕を撹乱、油断させる罠だとでも……?

っ、まぎらわしい……!

彼女の真意はなんなんだ!!

――いや。落ち着こう。

彼女は未来への布石をしたかもしれない。

でも、現状の変化は微々たるものだ。

僕は当初の目的を果たす。

敵陣へ突撃し、内部から破壊する。

それが、今の僕には――クイーンがあればできる!!

容赦はしない。

これは、たとえ盤上でも、戦争なんだ!