俯いてまぶたを擦ってたわたしの前に、



「……水希」



ふっと差し出されたふわふわのハンカチに顔を上げると、



「……忘れなよ。あんな奴」



怒った顔をしかめた水希が居て、すぐに困ったように眉を下げて小さくこう呟いた。