“千愛にはわかんないだろっ!” 聞いたこともないような宝珠の声と視線。 まるで感情を凍り付けにでもしたみたいに冷たくて哀しい顔。 再会した頃の眼差しに似てるけどもっともっと強い拒絶と苦しみ。 だからこそ宝珠の傍に居るべきなのに……。 足がすくんで動けなかった自分が悔しくて堪らない。 ポロポロと零れる涙は拭っても拭っても溢れてきた。 「大丈夫? ……なワケないか」 滲んだ視界の右端にふわふわのハンカチが差し出されて、 「…………」 傍らで水希が力無く笑っていた。