“顔に似合わずロマンチストだったんだな、おまえって” なんて通り過ぎ様に言った舟瀬はニヤッと嫌味っぽく笑ってみせた。 ……言って5秒で後悔。 ちょっとでも元気無いなんて思った俺ってバカだなって思う。 照れ隠しに前髪を思わずくしゃくしゃに掻いた。 でも、 「ま。白奈が懐いてる理由も千愛が信頼してる理由もわからんでもないけどさ」 「えっ?」 「……別に」 ボソッと呟いた横顔はどことなくさっきより落ち着いてる気がした。