「…ないよ」 「え?」 目からはなぜか、涙が溢れてきた。 瞬きすると目から一筋涙が伝った。 「蒼太が分かんないよ……」 「未羽…」 わたしはもうすぐホームルームが始まる時間だというのに、教室から飛び出した。 あと少しでもここにいたら、蒼太が何か言いそうだったから。 蒼太の言葉を聞くのが、怖かった…。 自分でも臆病だって分かってるけど、でも…。 蒼太が好きだから、傷つけたくない。 ううん、傷つきたくないだけ。