「ねっねぇ」

「はい? 何でしょう?」

「その…あたしが邪魔になったら、いつでも言ってね!」

「えっ?」

あたしはさみしさを隠して、明るく振る舞った。

「ホラ、キミはモてるでしょう? いつか彼氏が出来たら、遠慮無く言ってね! あたしはちゃんと引くからさ」

明るく言ったつもりだったけど…彼女の表情が暗くなる。

「それは…ありませんわ」

あっ、許婚とかいるのかな?

「ごっゴメンね。何かあたし、空回っちゃったかな?」

「いえ、そうではなく…」