無意識に視線を泳がせていると、ラックの中のアルバムに目が止まった。 彼の幼い笑顔が、綾香の脳裏に浮かぶ。 ──逢いたい。 純粋にそう思った。 途端に、綾香の視界ははっきりとした。 数日分の荷物を小ぶりのボストンバッグに詰め、立ち上がった。 .