だけど、いくら時が経っても、あの男と関係をつづけている自分自身に嫌気がさす。 綾香を突き放そうとしないあの男にも、あの男を突き放せないでいる綾香自身にも。 しがみついているとは思っていないし、世間や男の奥さんに対する背徳感もない。 この関係について持っている感情は、遠い昔に去った自分自身への罪悪感だけだ。 ラックの一番端に置いてある、アルバムに手を伸ばす。 .