今、あたしは変われそうな気がした。
ほんの少し。だけど大きく。

指定の場所で待っていると、どんどんとお客さんがやってくる。
その度、女の子たちが席から離れていく。

「緊張してる?」
黒服の水戸クンが声をかけてきた。
「まぁ・・・少しだけ」
嘘。あたしの手には手汗が凄い。
「最初はみんなそうだよ。でもそれぞれやってる
君なら出来るよ、頑張って」

目の前では、キャバクラって名前の戦場で、
女の子たちが一生懸命戦ってる。

テレビで見るような風景。
お酒を飲んで、男の人と話してる。
でも今までとは違う。
テレビで見るような風景に、あたしが飛び込んでいく。

生暖かい気持ちじゃ、だめだ。