「はい?」



振り返って寮長の前に立つと



「ネクタイ、曲がってる」



寮長の形のよい手が私の首元で動く



「……あっ は、はい」



顔をあげると表情の読み取れないけれど端正な顔



(ち、近い……)

ドキドキして視線を下げる



ネクタイをキュッと締めながら




「明日からは汚れるから付けてこない方がいい」



囁くように教えてくれた



「あ、りがとう、ございます……」



ぎこちないお礼を言って掃除を始めると



アリスザカが冷たい視線で私を睨んでた




……なんだって言うんだ