眉を潜める松井を残し
私はそのままアリスザカに引きずられていった
☆☆☆
外に出るとやはり掃除は始まっていて
「遅い」
私とアリスザカを見つけた寮長のメガネがギラリと朝日を反射して光る
「す、すいませんっ」
頭を下げる私とへらへらした感じのアリスザカ
「時間厳守は共同生活の基本だ」
(先輩……アリスザカにはまず人間の基本から教えてやってください……)
「明日からは朝7時にビバルディの『春』が流れる前にここにいろ」
「はい……」
「うぃーす……」
(そうだ……朝聴いたあの音楽『四季』かぁ……)
そう考えながら掃除用具を取りに行こうとしたら
「沢野井」
私だけ寮長に呼ばれる



