「……使い方が分かりません」


「…………」



ワタライ先輩は奇妙な物でも見るように私を見た



「……ボタンを押すだけだが?」


うぅ……


これってそんなに変な事?

「あの…っ家の……ヤツと違うので…」



実は家で家事とか一度もした事ない私……



カァーっと熱くなり口ごもりながら言い訳した




ワタライ先輩は眉を寄せて私をジッと見た後


椅子から腰を上げて私の傍に来た



そして洗濯機を閉じて[オン]のスイッチを押した後

[スタート]と書いてあるボタンを押し



「これだけだ」


バカにしたような目を私に向けた