でも


恐そうな人だと思ってたけどけっこう気にしてくれてるんだ



さすが寮長





ワタライ先輩はそれだけ言うとまた本に視線を戻した


(なんで洗濯室に居座ってるんだろ……)



悪い人じゃないんだけど


やっぱり空気が重い




(さっさと洗濯機回して私も部屋戻ろ)



そう思って


洗濯物を開いてる機械に入れた私は


はた……と止まった



機械の使い方が分からない……


説明書も付いてない




私はしばらくその場に佇んでいたようで



「どうした?」



私の異変に気付いたワタライ先輩が声をかけてきた




「……あの」