「アリス……ザカ…」
その瞬間、地に足を打ち付けられたように固まっていたのに急に体が軽くなった
冷えきってた心が温かくなった
「ユヅキは3年間俺と一緒のクラスで卒業すんだつーのっ」
なんかすごい必死だし
私より前に出て今にもあっちゃんに噛みつき兼ねない
でも今は何よりそれが安心する
「ユヅキっちゃ〜ん☆
休憩終わるよ〜」
「ユヅキ、5限、竹本だぞ」
「マジやだ……」
セツ先輩にハセガワ、タカラもいた
松井はずっと後ろにいたらしく心配そうな表情で私を見ていたが、目が合うと気まずそうに反らした
なんだか急に目が熱くなってきた……
私はジワリと浮かんできた涙を擦りながらアリスザカに連れられてあっちゃんの前から逃げ出した
今の私はまともに話なんて出来ないから……
去り際に見たあっちゃんはやっぱり冷たい表情のまま
でもじっと
私を見ていた
★★★



