☆☆☆



廊下を走る私をすれ違う生徒が振り返る


よっぽど酷い顔してるんだろうな




でも今はそんなことかまってられない



(……どうして……?)


頭の中はぐちゃぐちゃ



私は息をつきながらある教室の前で止まった




3A



バタン



乱暴に教室の前の扉を開けると


教室にいたほぼ全員の生徒が私を見た



昼休憩ももうすぐ終わりなのか


教室にいる人達は8割くらい




私は目を走らせて探した


途中、寮長―渡来南雲が驚いた表情で私を見ているのに気づいた




そして



(いた)



「……あっちゃん」



教室の中間の位置くらいに

静かに座って本に目を通している



その人を見つけた