聞かなきゃよかった

とか



松井が隠すはずだな…


とか



そんな風に思える余裕なんて私にはなかった




目の前が真っ暗になるような感覚



初夏なのに

血の気が引いたのか指先がどんどん冷たくなるのが分かった





私は自分でも自覚しないままフラフラと歩き出していて


屋上のドアを開け校舎の中に入ると



多分、私を制止しているんだろう松井の声も無視して廊下を走り出した




ある教室を目指して



★★★