男子寮のお姫様☆〜ユヅキと執事と4人の王子〜





「嘘など……」


松井の表情が少し崩れた



(まだ誤魔化すんだ……)

私のイライラはピークだ





「見たんだよっ!」



自分でもびっくりする位の大声が屋上に響いた



「3限目の科学の実験の後片付けの時……松井こっそり抜け出してたでしょ?」


私の言葉に松井の目は大きく開いた



科学室の窓から見えた

中庭つっきって2年の校舎に向かう松井の姿




「松井が盗ったんでしょ?
……先輩のハンディカム」




(言ってやった……)



でもスッキリなんてしない


松井は私の味方じゃないかもしれない



その事実を突きつけただげ……


自分に




「証拠隠滅の為?」



冷静を装い静かに問いただす



「……私は……」



松井はまだいいあぐねているようだ