男子寮のお姫様☆〜ユヅキと執事と4人の王子〜




「……ちっ」


アリスザカは悔しそうに舌打ちして


「途中までは上手くいってたんだ……お前のせいだぞ」


松井をにらんだ



「あ、ああ……すまない」

松井はそれに対して何か別の考え事をしていたかのように一瞬驚いて

そしてあっさりと謝った


「ちょっとー松井のせいじなゃないんだから……」




「……くくっ」





私がアリスザカをいさめようとした時


エレベーターの隅から不気味な声が響いた



声の発信源をみると



セツ先輩がうつむいたまま肩を震わせている



「……先輩?」



泣いてる?


でもなんで?



「せ、先輩?」




もう一度呼び掛けると



「……ブハッ」



セツ先輩は吹き出した



「アハハハハっ……ナグモッちゃんてば……嘘つくの下手なんだから……ククク☆」


お腹を抱えエレベーターの中に笑い声を響かせる


……笑いをこらえていたんですね…先ほどは