男子寮のお姫様☆〜ユヅキと執事と4人の王子〜





松井を見るとふいっと私の視線から目をそらし



「ここで言われたとおり隠れて待とうと思ったんですが、寮長に見つかり事情を説明していました……」



この時松井の態度に少しひっかかりを感じたけど

作戦失敗を悔やんでいるのかなと思ったし、この後の話の展開の方が気にかかった




結果的に松井はこの時 私に嘘をついていて

様子がおかしいと感じたのは間違いではなかったんだけれど

この時の私はまだそれを知らなかった





「で、俺がここまで追いこんだんだけど犯人はこいつらの脇すり抜けて逃げて行きやがった……」



アリスザカが悔しそうに茂みの向こうを見た



「あっち側だと第1寮の方向だね……☆」


セツ先輩がポツリと一言