あんなにバタバタとうるさかった足音も、階段の降り終わる時には私1人だけのものになった
一体どうなったんだろう?
(なんか静か過ぎない?)
最後の一段を降りてすぐ辺りを見渡す
たたずむ数人の影
(どれがお化け!?)
すばやく視線を走らせる
影は5つあった
目を凝らすと近くの影はセツ先輩とハセガワだと言う事が分かった
2人は一点を凝視している
寮の敷地の隅にいる アリスザカと松井の間にいる人物
(お化けの正体はこの人!?)
「ナグモっちゃん……」
セツ先輩のかすれた声がかすかに耳に入った
その声に振り返った影の顔面にかかったメガネがキラリと外灯の光を反射した
その人物は
渡来 七雲(ワタライ ナグモ)
寮長だった



