私は
コクン
頷いた
アリスザカの深いため息が聞こえた
「じゃあ、俺が確かめてやるから」
「な?」
そう言って私を覗き込むアリスザカはどことなく優しい
激しい野獣の目はいつの間にか落ち着きを取り戻していた
二人でアリスザカの部屋を出て私の部屋に向かった
窓の外の白い影はもう消えていて
アリスザカが開けて見たけどやっぱり何もなかった
「いつもこの窓の外からコツコツ音がするの」
本気にしてるのか分からないけど
アリスザカは私の事をバカにしたりはしなかった
一通り見てしばらく部屋に佇んでいたけど、お化けはもう出てくるつもりはないみたい
アリスザカは私が落ち着いたのを確認すると
「じゃ俺、戻るわ」
部屋を出て行こうとした
そのまま出て行かずにおかしな顔をして振り返ったのは、私がアリスザカのシャツの裾をつかんだから
「……何?」
嫌な予感がしたらしくアリスザカの顔がひきつる



