男子寮のお姫様☆〜ユヅキと執事と4人の王子〜




私は

コクン


頷いた




アリスザカの深いため息が聞こえた


「じゃあ、俺が確かめてやるから」


「な?」

そう言って私を覗き込むアリスザカはどことなく優しい

激しい野獣の目はいつの間にか落ち着きを取り戻していた






二人でアリスザカの部屋を出て私の部屋に向かった



窓の外の白い影はもう消えていて

アリスザカが開けて見たけどやっぱり何もなかった



「いつもこの窓の外からコツコツ音がするの」



本気にしてるのか分からないけど

アリスザカは私の事をバカにしたりはしなかった



一通り見てしばらく部屋に佇んでいたけど、お化けはもう出てくるつもりはないみたい


アリスザカは私が落ち着いたのを確認すると




「じゃ俺、戻るわ」



部屋を出て行こうとした


そのまま出て行かずにおかしな顔をして振り返ったのは、私がアリスザカのシャツの裾をつかんだから



「……何?」


嫌な予感がしたらしくアリスザカの顔がひきつる