現れたソイツは


アリスザカをドンッと押しのけ


私の手をグイッッと掴んで走り出した





やっぱり私が困ってるとどこにでも来てくれる


「松井……」


言うと松井は無表情のまま私を見下ろし


「もう少し早く足を動かしてください」


私の手を握ってる手に更に力を込めた





「………っ」


後ろからアリスザカが何か言って追いかけてくる




どうせ寮に帰れば同室なんだけど……


でも松井に話があるし


とりあえず 逃げよ




私と松井は


人のいなくなった教室に逃げ込んだ



★★★