翌日。

さくらは由来を訊いた事を
悠斗に報告していた。

「そっか…ちゃんとした理由が
あったんだね。」

「うん、こんなあたしにも
ちゃんと由来があったんだって
嬉しくなった。
きっと名前を決めるのに、
産まれる前から
悩んでたんだろうなぁ
って考えたら、
初めて名前の
ありがたさが解ったよ。
それに、名前をつける大変さとか
解らなかったけど、
由来聞いたら
少し解った気がする。
だから、将来
自分の子供が出来たら、
ちゃんと悩んで
決めようと思う。」

「うん、そうだね。」

「考える機会を与えてくれて
ありがとう、悠斗。
悠斗に言われなかったら、
今も自分の名前を
嫌ったままだったよ。」

「…どういたしまして。
名前をつけてくれた
両親には感謝しなきゃね。」

「うん。」

さくらはそう頷いてから笑った。

(自分の名前に意味がある、
それだけで生きている
意味があるんだな。)

そう考えながら、さくらは悠斗に
さよならを言って自宅に帰った。