真凛がシェイクを
ストローで吸う音が響く。

さくらは黙ったまま、
チーズバーガーを食べていた。

やがて、さくらは真凛に
訊きたかった事を訊いた。

「一ノ瀬さんはさ、
どうしてあたしと
仲良くなりたいの?」

「一番は、
廊下で見かけたときに、
誰とも群れることなく
一人で歩いてたのが
気になったから。
普通の女子高生は
友達同士でお喋りして、
悩み相談して、
はしゃぎあうもんだよ。
だから、勿体無いって
思ったの。」

そう言うと真凛は、
ハンバーガーにパクついた。

さくらには、正直
そういう感覚が解らない。

女子達の悪い部分しか
見てこなかったから。

群れて陰口を言い合う。

こそこそ話。

さくらはそれが嫌で
一人行動していたのだった。