さくらの両親は、
喫茶店をやっている。

温厚な父の圭吾と、
厳しいけれど温かい、
母の千依。

2人はいつも仲が良くて、
さくらの憧れの夫婦だ。


喫茶店の手伝いを
さくらは時々やるけれど、
それが本当にやりたい事なのか
どうかは解らない。

これはずっと悩んでいる。

姉が家を出た以上、
必然的に継ぐのは
自分ではないかと。


圭吾はゆっくり考えなさいと
言ってくれたが…
実際はあまり時間が無い。

入学して数ヶ月も経てば、
すぐに進路希望調査が行われる。

進学するのか、就職するのか、
はたまた家業を手伝うのか。
選択を迫られるのだ。