その時だった。
ざあっ…と強い風が吹いて、
一斉に桜が散った。
「綺麗…。」
「…本当、桜の雨だね。」
さくらは悠斗が、
その言葉を言った事に
すごくびっくりした。
圭吾と同じ事を言っている。
全くの偶然なんだろうけれど、
それでもさくらは嬉しかった。
桜の雨の話。
いつか、悠斗にも
聞かせてあげたい。
さくらはそう思った。