慌てて涙を拭う。

「泣いてるの?」

「ちょっと嬉し涙出てきちゃった。」

「そっか。
喜んでもらえて良かった。」

悠斗はにっこり
笑ってそう言うと、
ケーキを出してきた。

ロウソクを立てて火をつけ、
さくらが吹き消す。

「今日はおめでとう、さくら。」

「ありがとう、悠斗。
幸せだよ、あたし。」

さくらは胸がいっぱいになって、
ケーキがあまり入らなかった。