「神様って、何が出来るのかな…」


ぶらりは、細い眼鏡の向こうから私を見る。
私は、斜めにかかる前髪の中からぶらりを見る。

ほら、お互いしかいない。


彼は必然的に。

私は依存的に。



「神様は、万能だよ」




なんでも出来る。と、
ぶらりは窓の外を見て、それから私に目を戻す。
微笑みながら、淡々と。




「そして、この世界の何よりも無力だ」





そうか、
ぶらりは神様の存在を認めてる。

だけど、それだけなんだ。

崇めるんじゃなく、憎むんでもなく、認めるだけ。



それはきっと、神様を愛していないんだ。

ほんの、これっぽっちも。




だから、期待もしないし、否定もしない。