ランプが消えた。




ぶらりはまだ目を開けない。


私は、ただ惰性的に彼の近くから離れられずにいた。



こんな時…

こんな時、人は神様に願うんだろうか。





『彼を生かして下さい』と。







目を逸らして他人に頼む暇があったら、私はぶらりを呼び続ける。

初めから、私は彼を手放さない事に必死なのだから。


いつもとは違う、消毒液の染み付いた塩素系の匂いが、異物として胃をぐるぐると回る。






ぶらり


ぶらり


声が聞きたい。

触れて欲しい。


























私の、髪に、指を、絡めた。