何分かしてから 俺は龍一がもうこの世にいないことを理解できた。 この世というのは変かもしれない。 だって ここは存在しない日なのだから。 「……龍一のためにも俺たちは生き残ろうな」 俺は強く言うと 棚の上から赤い懐中電灯を2つ取った。 そして 懐中電灯を二人に渡す。 「…刹那のは?」 「2本しかないから俺はいいや。 二人の懐中電灯で見えるし」 和室の電気を消すと一階へと移動した。