「なぁ、直樹…。 一回家戻って懐中電灯持ってこない?」 「‥‥家に懐中電灯あったっけ??」 やっと口を聞いてくれた。 「確か停電の時のために 和室の棚にあったと思う。 家に行けば 手当出来るし水だって飲める」 俺たち、 今ある力を振り絞って 全速力で家へと向かった。 この速さなら 誰も追い付けやしない。 やっとのこと、 家の近所の道へ来た。 この道を右に曲がれば 俺の家はすぐだ。