「遅くなって……ごめんね」 私は抱きしめられたまま、ルカにそう言った。 お父さんに言われ、手紙を書いてから、ルカのもとにに来るのに随分経ってしまったから。 「サチ、ケッコンシテ、クダサイ」 「ハジメテ、アッタトキカラ、アイシテイマシタ」 ルカの胸に埋めていた顔を上げると、私の目の前に手のひらを差し出した。 その中には、ささやかだけれども、光り輝く石のついた指輪が乗せられていた。