聖夜の約束

 
 上を向かされたあたしの額に、優しく、唇がおちる。

 ちゅっ、と小さな音を立てて離れていくと、「ごめんな」って先生が呟いた。


「華南子の気持ち、理解っているつもりでいるけど……やっぱり、言葉にしてもらわないと駄目なときもあるんだよ」


「……恥ずかしい、って……言いました」


「それはそれ、これはこれ。本当に嫌なら、華南子は俺を殴ればいいよ」


「……それなら、あたしは先生を殴りまくることになりますけど……」


「え……っ、そんなに嫌だった?」


「冗談です」


 笑いながら言ったあたしに先生も表情を崩して、それから唇が重なる。


「華南子、可愛い」


「先生……」