思い出すだけでも、恥ずかしい。 でも、先生があたしだけに言ってくれる言葉だ。 恥ずかしすぎて嫌だけど、シアワセの方が勝つ。 だからきっと、本当のところでは嫌じゃない。 でも今はそんなの無理。 先生のことは好きだけど、恥ずかしくて言えない。 絶対無理! 「華南子」 耳まで真っ赤になったあたしは、名前を呼ばれても先生の顔を見ることができない。 俯いたままで居ると、あたしの手を放した先生の両手が、すっ、と視界に映り込んできた。