聖夜の約束

 
 思い出すだけでも、恥ずかしい。

 でも、先生があたしだけに言ってくれる言葉だ。

 恥ずかしすぎて嫌だけど、シアワセの方が勝つ。

 だからきっと、本当のところでは嫌じゃない。

 でも今はそんなの無理。

 先生のことは好きだけど、恥ずかしくて言えない。

 絶対無理!


「華南子」


 耳まで真っ赤になったあたしは、名前を呼ばれても先生の顔を見ることができない。

 俯いたままで居ると、あたしの手を放した先生の両手が、すっ、と視界に映り込んできた。