『ごめんな、華南子』 『……え?』 『寒いよな、コレ使って』 言うなり自分が使っていた革製手袋を外すと、あたしの手に無理矢理はめさせた。 ……暖かい。 『でも、先生が寒いんじゃ……』 『寒くて使ってたんじゃないから大丈夫』 あっという間に信号は青に変わってしまい、あたしはまた先生にしがみついた。 十分程走ると、どこかの公園に着いた。