「鈴原~~!!」

呼ばれた方を振り向くと、本村春人がバイクを投げ倒し私の元に走ってきた。


「皆、お前が居ないって探し回ってるぞ!!」

私の隣に腰を下ろし言った。


「そっか。死のうと思ったんだけど。簡単には死ねなかった・・・。いつも自分で簡単には死なないって啖呵切ってるのに・・・まさにその通りだったよ」

「バカかお前は!!」

本村春人は傍の石を拾って海へ投げた。

「ねぇ。本村。うちを殺して・・・もう。生きていたくない」


「ふざけんな!!お前が死にたくても死ねないのは人生を諦めたくないからだろ!!遣り残した事、まだたくさんあるだろ?」

本村春人の言葉を聞いて涙が溢れた。

「我慢すんな。泣きたきゃ泣け」


それ以上何も言わず、私が落ち着くまで傍に居てくれた本村春人。






「ごめん。みっともないとこ見せちゃったね・・・。」



「たまには素直に感情出さないとお前が参るだろ」

コイツだけは他の奴と違うって思った。





「夏姉。引退したらどうしよ・・・。2代目も断ろうかな・・・」

「不安なの?」

「そりゃそうでしょ。夏姉居なくなったらもう、誰もうちを守ってくれないし。仲間を信用出来ないかも知れない。自分も守れないのに仲間なんか守れない・・・」


「俺が、夏花の分までお前を守るよ。チームだってサポートする。俺さえも信用出来ない??」

真っ直ぐ私を見る本村春人の目は凄く真剣で力強くて信用してもいいかなって思った。





「アハハ。顔、真面目過ぎて怖いよ!!」

「え??わり~」

「本村の事。信じるよ。その代わりうちの事女として見ないで」


「は??無理だよ」