口のガムテープを外し、両腕の手首を見た。

キツク縛られ赤く、紫色に変色してる・・・。



「バイク・・・。取りに行かなきゃ・・・」

そんなどうでもいい事しか頭に浮かばない。

人気の無い道をバイクを求めて2~3時間歩き続ける。



寄せられたままのバイクを見つけエンジンを吹かし魂が抜けたまま家に向かう。


肌に風を感じ、その時やっと涙が出た。

涙が風にさらわれる。泣いても。泣いても頬をつたう事の無い私の涙。







家に着き。お風呂場直行。

何度も。何度も。

肌を洗う。

洗っても。洗っても。

キタナイ私の体。



おっちゃんの唾液で黒く塗られた私の体。

洗っても。

白には戻らない。









声を殺して何度も泣いた。

泣いて泣いて。

朝が来た。