今、思えば1度だけでもいいから会って話しとけば良かったって思うよ。

すべてをさらけ出して話してれば・・・。


愛しい春人も失わず済んだかもしれないね。


でも。まだまだ子供だった私は春人から逃げる事しか出来なかった。


私は傍に居ないけど。

【亜蝶】は一生春人の傍に居るよ。

色褪せる事無く・・・







すべて終わらせよう・・・


チームも春人も。








「胡蝶蘭」も限界だ。







私は机の引き出しに眠ってた携帯を取り出し夏姉に連絡した。



プルルルル--



『おぅ。吹雪!どうしたん?』

久し振りに聞いた夏姉の声。

きっとタケルやヤッシーから私の事は聞いてるはずなのに何も知らない様に振舞う夏姉に少し罪悪感があった。

本当ならば私の口から報告すべき事なのに・・・。

「相談があんだけど・・・時間ある?」

『構わないよ。何?』

夏姉の口調が少し変わった様な気がした。

「実は引退を期に胡蝶蘭を終わらせようと思う。すべてはうちの責任や。悪い・・・すべて台無しにした」


『吹雪・・・辛い事。一杯あったな。でも仲間っていいだろ?どんな時だって傍に居てくれて味方で居てくれて。痛みも皆で分かち合って。喜びも、悲しみも。すべてメンバーと一緒なんだ。今回の事だって吹雪だけの悲しみじゃない。ちゃんと分かってるのか?』

夏姉の一言一言が重くて。

胸が痛くて・・・