swallotail-アゲハ-【完】


「リーダー。大丈夫っすか?」

心配そうに私を見る美波。

「ん。大丈夫。わり~な。油断した・・・」



「吹雪。来んな!!って言ったよな?何で来た?」

春人が眉間にシワを寄せて聞いてきた。

「決まってるだろ・・・やられたらやり返す。当たり前だろ?」

「はぁ~。お前さ。一応女。いっつも怪我ばっかりして、少しは俺の気持ちも考えたら?自分の女が毎回傷だらけなの。どんだけ辛いと思う?守れる時と出来ない時があるだろ?」


「喧嘩してる時はうちは女じゃない!!」

女で居る時は春人に抱かれてる時だけでいい。


男。男。吹雪は男。


ってか、最初に女として見るなって忠告したよな?




「ふざけんなよ!!マコトにこの口塞がれたの誰だよ?お前だろ?誰もお前を男して見てねーだろ!!」

春人は私の顎を持ち上げ怒鳴った。

何で・・・マコトの事知ってるの?

「マコトが言ってたぞ・・・。」


「・・・」

何も言い返せなかった。



「リーダー??特攻・・・濡れてません??」

「あ”??」

自分の特攻服を確認すると、太もも辺りが冷たかった。

色が黒だから何で濡れてるか分からない・・・。


雨降った??

降ってない。

水溜りあった?

ない。


恐る恐る太ももに触れる私・・・。