「や、きら君!水汲みかい?」
川の縁、流れが緩いところに、水江さんが両足を浸けて座っていた。
軽くポリタンクを持ち上げて、あいさつのつもり。
「や。どしたの?」
タンクの口を川底ギリギリに付け、溜まるのを待つ。
料理するのにジャマだったのか、短めだった髪をなんとかまとめ、ゴムで留めていた。
捲ったジャージから見える白く細い手足が、妙にかわいい。
「さっきちょっと転んだら、少し足が痛くなってね。海くんにカレーできるまで足冷やしてろってさ。」
初日に崖から落ちて足ケガしたやつが再発したのか。
海の班は川に一番近く、ここからでもよく見えた。
他とは違う、圧倒的な手際の良さで野菜を切り、進行状況はトップ。
風羽 海、正直初めて見た時は、同い年の人間とは思えなかった。
完璧なまでのルックス、先生を驚かせる程の頭の良さ、緊張を知らない物腰、部活生を凌駕する運動神経。
妹の空もさることながら、こいつには一生勝てないだろうなと思っている。
「海…か。ホント、あいつはすごいなって思うよ…」
「そうだね、海くんは…うん、いろいろとすごいよ…」
川の縁、流れが緩いところに、水江さんが両足を浸けて座っていた。
軽くポリタンクを持ち上げて、あいさつのつもり。
「や。どしたの?」
タンクの口を川底ギリギリに付け、溜まるのを待つ。
料理するのにジャマだったのか、短めだった髪をなんとかまとめ、ゴムで留めていた。
捲ったジャージから見える白く細い手足が、妙にかわいい。
「さっきちょっと転んだら、少し足が痛くなってね。海くんにカレーできるまで足冷やしてろってさ。」
初日に崖から落ちて足ケガしたやつが再発したのか。
海の班は川に一番近く、ここからでもよく見えた。
他とは違う、圧倒的な手際の良さで野菜を切り、進行状況はトップ。
風羽 海、正直初めて見た時は、同い年の人間とは思えなかった。
完璧なまでのルックス、先生を驚かせる程の頭の良さ、緊張を知らない物腰、部活生を凌駕する運動神経。
妹の空もさることながら、こいつには一生勝てないだろうなと思っている。
「海…か。ホント、あいつはすごいなって思うよ…」
「そうだね、海くんは…うん、いろいろとすごいよ…」

