ふぅーと深呼吸をしてから少女は部屋に入る。 もちろん先程、桐會が少女の部屋の前に置いていた荷物も持って。 「…今日はどの着物を着ればよいのでしょうか…わかりませんね…仕方ないのでいつものように菖蒲[あやめ]さんに来てもらいましょう」 独り言にしては大きいのではないかと思われる声で呟く。 少女の部屋には呼び鈴があるようで、それをおもいっきり引っ張る。 やがて階段を駆け上がる軽快なリズムとともにものの数分もしないうちに菖蒲はやってきた。