「むっちゃん、おじさんの調子はどう?」

次の日、学校に行くとあたしの同級生のおじさん、平野 悠斗が教室にやって来た。

彼女の難波 奈々があたしと同じクラスという事もあるけど。

「うん、今のところは大丈夫だよ」



今はまだ。

生活にもそれほど影響はない。



「そう。パパもママも心配してるから、何かあったらすぐに言って、って」

あたしは頷いた。

みんな、心配してくれているんだなあ…



「むっちゃんのお父さんってそんなに悪いの?」

奈々が心配そうにあたしの前の席を借りて座った。

「今は大丈夫なんだけど。
この先どうなる事やら…」

あたしはそう言って窓の外を見つめた。

どんよりと曇った空。



自然にため息をついていた。