この想いを君に… −あの場所へ−

「公道では絶対にするなよ?」

10分くらい走って、元の場所に戻ってきた時、パパは悪戯っ子のような笑みを浮かべてあたしを見つめた。

「うん、しない」

あたしも苦笑いをする。

したらパパに免許剥奪されそうだもん。



でも。

久々にパパとタンデムして。

その背中の温かさを感じた気がした。



最近はめったにバイクには乗らなくなったパパ。

たまに全日本用のマシンにはテストで乗るけど。

それくらいしか見かけない。

あと何回、こんな風に出掛けられるだろう?



なんて思ったら、また落ち込みそうになった。