この想いを君に… −あの場所へ−

「病気が酷くなったとしても…
延命はするな」

ママは倒れそうなくらい、ショックを受けている。

「…まあ、今すぐ死ぬ訳でもないし。
いつ、体調が悪くなるかもわからない。
けど、気管切開や人口呼吸を着けるとか、胃ろう(食事が取れなくなって、手術して胃に直接栄養を入れる事)もしなくていい」

パパの冷静な目つきがあたし達に向けられる。

「自然に死なせてくれる?」



沈黙があたし達を襲った。



死なせてくれる?



そんな切ないお願いはない。