朝に祥太郎と店に行き、明日まで臨時休業の貼紙をしてFAXを流すと電話がなりっぱなし。

ずっとその対応に追われてた。

電話で知らせないといけない人もいて、その度に電話の相手は絶句、号泣。

どれだけ総一さんが愛されていたのかわかる。

「ほら、光さん」

電話の合間に祥太郎はくすっ、と笑って差し出した箱。

開けてみると…

たくさんの写真。



「そーちゃん、持って帰るのが邪魔くさいのか、いつも貰った写真は箱に入れていたよ」



そこには若かりし俺もいた。

このチームにやってきて1年目。

32歳の総一さん、23歳の俺。

日本のロードレースに復帰して、初めてのレース。



すっかり忘れてた過去の思い出。

この時、総一さんに声を掛けてもらえなければ今の俺はいてない。



ホンマに…おらんようになったんやな。



もう、助けてもらわれへん。